美容師の初任給はどれくらい?給料システム・ランク別の給与も

コラム

美容師が安定した暮らしを手に入れるためには給料の実態を正しく把握した上で、現実的な将来計画を立てる必要があります。美容師の平均的な初任給の水準や給料システム詳細を知らずに就職することは、ミスマッチの原因です。

当記事ではこれから美容室に就職する人や駆け出しの美容師に向けて、初任給の実態と効率的に収入アップするための方法を解説します。ランク別の平均年収についても解説するため、明確な目標を立てた上で前向きに働きたい人は、ぜひ参考にしてください。

美容師の初任給は「約15万~17万円」!

美容師の初任給は求人によって異なるものの、15万〜17万円程度を1つの目安ととらえてください。厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、経験年数0年・20〜24歳の理美容師の平均年収は189.1万円です。189.1万円を12ヶ月で割ると15.8万円で、美容室ごとの誤差を考慮した場合の初任給は、15万~17万円程度と予測されます。
(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査結果」/https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001164106&tclass2=000001164107&tclass3=000001164111&stat_infid=000032182961&tclass4val=0

美容師の初任給は一般的に、ほかの職種の初任給と比較し、低水準です。養成学校の必要課程を修了・国家試験に合格して初めて就職する美容師は数年間、アシスタントとして勤務しつつ、お客さんを担当するために必要な技能を身に付けます。

つまり、お客さんのカットやカラーを担当しないアシスタントは就職時点において、美容室の利益に直結する人材と言えません。多くの美容室は利益を直接生んでくれるスタイリストとアシスタントを明確に区別するため、美容師の初任給を抑えます。

(出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/19/01.html

(内部リンク:「美容師の「アシスタント」とは?主な仕事内容とキャリアアップ方法も」https://job-besupport.com/bisaposhare/?p=54

ただし、美容師の初任給は、就職するエリアによって変化します。就職希望者が少なく、人材確保の難易度が高い地域で就職すれば、平均以上の初任給を得ることも可能でしょう。一方で人口が過剰に少なく、美容室の需要が低い地域では、13万〜15万円程度の初任給しか得られないケースもあります。

美容師とほかの職種における「給料システム」の違い

美容師の給料はほかの職種と比較して初任給が低水準である代わりに、努力すればするほど昇給できる特徴を持ちます。ひと一倍努力した美容師は高収入を実現し、ゆとりある生活を手に入れることも可能です。

以下ではほかの職種と異なる美容師ならではの給料システムを、より詳しく解説します。

2-1. 基本給に加えて歩合制が取り入れられている

多くの美容室は美容師の給料を、「基本給(固定給)+歩合給」で計算します。歩合給の金額の決め方は美容室によって異なるものの、指名の数もしくは売上によって変動させる方式が主流です。

フリーランス美容師には基本給がなく、完全歩合制で働くことが一般的です。フリーランス美容師は自分自身のお客さんから得た売上の30〜80%を、歩合給として受け取ります。

(内部リンク:「フリーランス美容師とは?働き方やメリット・デメリットを徹底解説」https://job-besupport.com/bisaposhare/?p=323

2-2. 勤続年数による昇給が少ない

美容師の給料システムでは多くの場合、勤続年数に応じた昇給幅が限定的です。多くの美容室は役職・店販・技能などに応じて美容師を昇給させる仕組みを取ります。

〇役職
チーフ、店長などを担当する美容師に役職手当を支給し、昇給させる仕組みです。

〇店販
シャンプーなどの販売によって得られる売上の一部を、美容師に還元する仕組みです。

〇技能
美容室が独自に行う試験に合格し、一定の技能を証明した美容師に技術手当を支給して、昇給させる仕組みです。美容室によっては独自に行う研修に参加し、技能向上に努めた美容師に対しても、技術手当を支給します。

【ランク別】美容師の平均年収

一般企業に部長などの役職があることと同様、美容室には美容師をランク分けし、昇給させる仕組みがあります。
そして、美容師の平均年収は一般的に、ランクによって差がつきます。ランク別の平均年収を把握することにより、自分自身のモチベーションにつなげてください。

3-1. アシスタント(勤続年数0~2年)

養成学校を卒業して就職した美容師はアシスタントとして勤務しつつ、実践的な技能の習得を目指します。アシスタントの給料は月収15万~17万円程度、年収換算で180万~200万円程度が平均的な水準です。

アシスタントは主に、スタイリストのサポートおよび美容室の雑務を担当します。サポートを行う際にはスタイリストの様子をよく観察して、接客・施術の実践的なテクニックを学ぶことが大切です。

アシスタントの担当する雑務は、良い美容室を作るために欠かせない仕事と言えます。アシスタントは担当する雑務の重要性を意識し、目の前の仕事へ真摯に打ち込むことにより、ランクアップを狙いましょう。

3-2. スタイリスト(勤続年数2年~)

スタイリストとはアシスタントを卒業し、美容室の主戦力として活躍できる人材です。美容室によってはスタイリストをさらに、ジュニアスタイリスト・(通常の)スタイリスト・トップスタイリストなどと細分化するケースもあります。

スタイリストの給料は月収18万〜30万円程度、年収換算で216万〜360万円程度が平均的な水準です。トップスタイリストの中には月収50万円程度、年収換算で600万円程度以上を得る人もいます。

スタイリストとして活躍するためにはお客さんの目線に立ち、「指名したい」と思わせる接客を提供することが必要です。合わせて、日々移り変わるヘアスタイルのトレンドを常に追いかけ、お客さんの期待に応える技能を習得する努力も必要でしょう。

3-3. 店長・ディレクター(勤続年数7年~)

店長とは美容室の責任者として、スタッフの管理や収支計画を担当する人材です。店長の月収は30万〜40万円程度、年収換算で360万〜480万円程度が平均的な水準にあたります。

ディレクターとはトップスタイリストを数年間経験し、美容ショーやイベントの責任者として活躍できるレベルの技能を兼ね備えた人材です。ディレクターの月収は33万〜42万円程度、年収換算で396万〜504万円程度が平均的な水準にあたります。

店長やディレクターとして活躍するためには責任者としての自覚を持ち、マネジメントスキルを磨く努力が不可欠です。より多くの売上を上げて昇給を図るためには、常にお客さんの立場に立ち、「どうすれば満足度の高いサービスを提供できるか」を検討し続ける姿勢も要求されます。

美容師が収入アップを目指すための方法は?

美容師が収入アップを目指すためには常に技術の向上を図り、着実にランクを上げる方法が王道です。アシスタントはスタイリスト、(通常の)スタイリストはトップスタイリストへとランクアップすることで、昇給を図れます。

美容師として豊富な経験を持ち、技能に自信がある人は、歩合給の還元率が高い美容室へ転職する方法も一案です。もしくはフリーランスに転向すると、収入アップを目指せます。

ただし、転職やフリーランスに転向する方法は、一定のリスクを伴う選択肢です。駆け出しの美容師には現在の職場で、技能向上を図る方法をおすすめします。

まとめ

美容師の初任給は月収約15万〜17万円、年収に換算すると180万~200万円程度であることが一般的です。美容師の初任給やアシスタント期間の給料は高いと言えないものの、スタイリストや店長へとランクアップすることにより、昇給を図れます。

努力すればするほど昇給を図れることは、美容師の給料システム特有の特徴です。初任給が低くても諦めず、前向きに仕事に打ち込むことが、安定した暮らしを手に入れるためのコツと言えます。

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