【美容師】履歴書の書き方・提出方法の基本マナー|志望動機の例文も

コラム

美容師が就職・転職する際は、働きたいヘアサロンに履歴書を提出します。採用担当者に履歴書でよい印象を与えたいと考える人は多いでしょう。

履歴書を作成するときは、書き方・提出方法の基本マナーを押さえることが大切です。志望動機には美容師ならではのポイントも盛り込んでアピールしましょう。

履歴書の書き方・提出方法の基本マナーから、美容師の志望動機の例文や志望動機で困ったときの対処法、美容師の面接対策までを徹底解説します。

履歴書の重要性

就職・転職する際に応募先へ提出する履歴書は、美容師に限らずどのような職種においても重要な書類です。履歴書には応募者の個人情報・人柄・応募先への思いが記載されており、採用担当者は履歴書を通して応募者の情報を把握します。

例えば資格欄に「美容師免許取得」と書かなければ、美容師の国家資格を取得したことを採用担当者に伝えられません。志望動機欄に書く志望動機は、仕事への熱意があるかどうかがチェックされます。つまり履歴書は、応募先の応募条件を自分が満たしていて、働くことを志望していると伝えるための書類です。

また、履歴書は記入する項目の内容・順序が決まっていて、採用担当者が応募者同士の比較をしやすくなっています。記載した情報に不足や間違いがあったり、文字が汚く読みづらかったりする履歴書では、就職活動を有利に進められません。

履歴書をきちんと書けるかどうかは、採用担当者に好印象を与えられるかどうかにつながる重要なポイントといえます。

【美容師】履歴書の「書き方」における基本マナー

履歴書を書くときは、書き方の基本マナーをしっかりと押さえておきましょう。初めて就職する人はもちろん、転職する人も履歴書の書き方を忘れているケースはあるため、基本マナーを確認してから書くことがおすすめです。

履歴書の書き方における基本マナーを、2つのポイントに分けて解説します。

2-1. 履歴書は手書き作成・パソコン作成どちらでもOK

履歴書は手書き作成が主流であるものの、基本的に手書き作成・パソコン作成のどちらでもOKです。ただし、応募要項で「手書きの履歴書」のように作成方法が指定されているときは、指定の方法で履歴書を作成してください。

手書き作成の場合は黒のボールペンで記入します。採用担当者が読みやすいよう丁寧な字で、誤字脱字がないように書きましょう。修正液・修正テープの使用はよい印象を与えないため、書き損じたときは新しい履歴書用紙を使用して書き直します。

手書き作成・パソコン作成のどちらの方法にも共通する注意点が、「文字の大きさ」です。志望動機などの自由に書ける項目は小さな文字で書きがちなものの、小さな文字は採用担当者が読みにくくなります。手書き作成の文字は大きすぎず小さすぎずを意識し、パソコン作成では10.5~11ptのフォントサイズを基本としましょう。

2-2. 履歴書に記載のある項目はなるべくすべて記入しよう

履歴書の項目に空欄が多いと、採用担当者の視点では「伝わってくる情報が少ない履歴書」に見えてしまいます。名前・住所などの「基本情報」は書ける内容が限定されるものの、下記の項目はなるべく情報を充実させてください。

学歴・職歴に書く学校名・会社名や、免許・資格に書く資格名は、略称を使用せず正式名称で書いてください。なお、国家資格である美容師免許の正式名称は「美容師免許」です。

【美容師】履歴書の「提出方法」における基本マナー

履歴書の提出方法は、「郵送」「メール送付」「手渡し」の3つがあります。郵送は履歴書を封筒に入れて郵送する一般的な提出方法であり、メール送付はWebから応募する場合の提出方法です。手渡しは、書類選考なしで面接が行われる場合に採用されます。

以下では履歴書の提出方法における、3つの方法それぞれでの基本マナーを解説します。

3-1. 郵送の場合:履歴書とともに送付状も添える

郵送の場合は、履歴書とともに送付状も添えます。送付状とは、郵送書類の概要をわかりやすく説明した書類のことです。

履歴書の送付状は、下記の内容を入れて作成します。

・送付した日付
・送り先の名前
・送り主の名前と住所・連絡先
・送付状の本文
・同封の書類名と数

送り先の名前は、会社名・部署名・役職名・採用担当者名の順に記入します。部署宛で郵送する場合は、「人事部御中」のように「御中」を付けてください。

送付状の本文は、最初に「拝啓」などの頭語を置き、時候の挨拶を書きます。1行の改行を入れてから、履歴書を郵送する旨を書きましょう。末尾には結びの言葉と、「敬具」などの結語を置きます。

3-2. メール送付の場合:わかりやすいタイトル・ファイル名をつける

メール送付の場合は、履歴書を添付していることがわかりやすいタイトル・ファイル名をつけましょう。簡単な例を1つ紹介します。

【タイトル】
履歴書ご送付の件(田中花子)【ファイル名】
20230208_履歴書_田中花子

上記のファイル名では、送付の日付・履歴書であること・送付者の名前を伝えています。採用担当者がファイルを開かなくても、最低限の情報が分かる内容です。

また、応募要項での指定などにより、履歴書のファイルにパスワードを設定するケースもあります。パスワードを設定した場合は、履歴書送付のメール本文に「パスワードを設定した旨」「パスワードは別送する旨」を記載し、パスワード記載のメールを別途送付しましょう。

3-3. 手渡しの場合:シワや破れに注意する

手渡しの場合は、履歴書を会社の受付もしくは面接官に提出します。カバンの中で履歴書にシワがついたり破れたりしないように、履歴書はクリアファイルに挟んだ上で封筒に入れましょう。

手渡しする封筒に宛先は必要ありません。表の左下に「履歴書在中」と記載し、裏の左下には自分の郵便番号・住所・氏名を書きます。

履歴書を受付に提出する場合は、履歴書を封筒に入れたまま渡してください。一方で面接官に直接提出する場合は、履歴書を封筒から出して、クリアファイルに入れた状態で渡します。どちらの場合も、表側(履歴書は基本情報側)が相手から正しい向きで見えるよう、両手を添えて渡すことがマナーです。

美容師は「志望動機」が特に重視されやすい!

美容業界に限らず、転職活動や就職活動で多くの人が悩むのが志望動機の書き方・答え方ではないでしょうか。

志望動機は履歴書や職務経歴書で自分をPRするときだけではなく、面接時に最も多く聞かれる質問のうちの一つでもあります。美容師の場合、特に以下を探る目的で志望動機が重視されることがあります。

・技術はあるか
・やる気・積極性はあるか
・(技術が拙い場合)学ぶ姿勢はあるか
・お客様とコミュニケーションを取れるか

美容師はお客様の要望を聞いて叶えるだけではなく、時には積極的に提案するなど柔軟な対応が求められます。新卒生の場合、技術を重視されることはありませんが、コミュニケーション能力と「これから技術を身につけて貢献する」という学ぶ姿勢があるかどうかが重視されるでしょう。

志望動機は、これらの要素を持っていることを応募先のサロン、企業に伝えるための手段です。定番の質問だからと手を抜かず、しっかりと自分なりの志望動機を見つけましょう。

【パターン別】美容師の履歴書に記入する志望動機の例文

美容師の履歴書は、新卒なのか転職あるいは復職なのかによっても適切な書き方が異なります。

ここからは、美容師の履歴書に記入する志望動機の例文を、パターン別に紹介します。あくまで参考用であるため、丸暗記で使用するのではなく、自分のオリジナル要素を取り入れた志望動機を作ることが重要です。

5-1. 新卒・第二新卒(未経験者)の場合

新卒や第二新卒は、資格を取得したばかりのため、高い技術は一切期待されていません。
「サロンのカラー・雰囲気に合うか」「これから学んでいく姿勢はあるか」が特に重要視されるでしょう。そのため、志望動機ではやる気があることを強くアピールすべきです。

<例文>

以前から貴社には客として利用をさせていただいており、スタッフの方の技術力の高さ、笑顔での接客にいつも感動していました。
実践の経験はありませんが、技術をしっかりと学び、いち早く貢献できる一流のスタイリストを目指して参ります。足りない知識や苦手分野は積極的に勉強していきますので、よろしくお願いいたします。

5-2. 転職(経験者)の場合

転職の場合は、ある程度の技術・知識を持っていることを前提として選考されます。

自分がこれまでどんなキャリアを築いてきたのかを、正確に伝えられるかどうかで採用不採用が決まるため、具体的な体験談も交えて経験を積んできたことをアピールしましょう。
また、前職の経験を新しい職場でどのように活かすことができるのかも問われます。

<例文>

前職ではスタイリストとして5年働いていました。
カウンセリング力に自信があり、お子様の接客で指名をいただくことが多かったので、キッズカットに力を入れている貴社で活躍したいと考え志望いたしました。

5-3. 復職(経験者)の場合

結婚や出産、家庭の事情などで一度美容師を辞めてから復職を目指す人も少なくありません。最近は短時間勤務などで働けるサロンも増えたため、多少ブランクのある人でも自分に合った求人を選ぶことで採用されやすくなりました。

復職の場合は、ブランクがどの程度業務に影響があるのかが重視されるでしょう。ブランク期間や技術は正直に伝え、最新トレンドや技術をしっかりと身につけていく前向きな姿勢をアピールすることがおすすめです。

<例文>

前職では5年間、スタイリストとしての経験があります。結婚し出産を機に退職した為ブランクはありますが、忙しい日々の中で美容師に髪を切ってもらい、癒しの空間でリラックスするひとときの大切さを改めて実感いたしました。

同じように子育てに忙しい毎日を送るお客様に癒しの時間をプレゼントできる美容師になりたいと感じ、貴社を志望いたしました。

志望動機がうまく作れないときの原因と対処法

「働きたいサロンは見つかったのに、志望動機がうまく作れない」という場合は、自己分析が十分にできていない可能性があります。まずは無理に志望動機を作るのではなく、自己分析を丁寧に行ってみましょう。

例えば、以下のように一問一答で美容師としての自分を紐解いていくのも良いでしょう。

・何故、美容師の仕事を目指そうと思ったのか
・美容師の仕事のどこに魅力を感じているか
・今までの仕事で嬉しかったことは何か
・どんな美容師を目指しているか
・何故、応募先のサロンでなくてはならないのか
・採用されたら、どんな美容師として貢献したいか

まずは紙やスマホで自分のことを箇条書きにしてみると、改めて自分が美容師を目指した理由や、応募したサロンで働きたいと思った理由が明確になってきます。特に、応募先のサロンを選んだ理由は、やる気や採用後の目標を伝えるためにも重要です。

見つからないときはサロンのホームページやSNS、働いているスタッフの様子などどこに共感したのかを整理すると志望動機のヒントが見つかります。

美容師の面接対策

美容師の就職・転職活動では面接対策も重要となります。十分なアピール力がある履歴書は作成できたものの、面接に不安を感じている人は多いのではないでしょうか。

最後に美容師の面接対策として、面接当日の身だしなみ・メイクと、面接で最低限アピールするべきポイントを紹介します。

7-1. 当日の身だしなみ・メイク

美容師の面接での服装は、スーツ指定の場合を除き、基本的にスーツを着用する必要はありません。応募先のヘアサロンのカラー・雰囲気に合った服装を着用することがおすすめです。

面接当日の身だしなみは、清潔感と動きやすさを意識しましょう。身だしなみのポイントをいくつか紹介します。

・服や靴に汚れ・ほつれなどがないかを確認する
・お辞儀をしたときに髪が顔にかからないよう、長い髪はまとめる
・ネイルはなるべく落とし、爪を短く切り揃える
・アクセサリーは小さく目立たないものに留める

メイクについても清潔感を意識して、肌を綺麗に見せられるナチュラルメイクを選ぶことがおすすめです。発色の強いアイシャドウやチークを使用するなど、派手な印象を与えるメイクは基本的にNGとなります。

7-2. 最低限アピールするべきポイント

面接で志望動機を聞かれたときや、自己PRを促されたときは、以下の3つのポイントは必ず入れるよう意識しましょう。

・これまでの具体的な経験やキャリア
・自分の美容師としての強み
・美容師として働くうえで大切にしていること

得意な施術や客観的に評価された技術などがある場合は、積極的にアピールすべき点です。賞などの記録がなくても、たとえばお客様のリピート率がどの程度高かったのかなど、具体的なデータがあると説得力が増します。お店のカラーとも関係するため、自分が美容師として働くうえで大切にしていることも可能な限り、具体的に伝えましょう。

例えば「お客様に喜んでいただきたい」という気持ちはどの美容師も持っているかと思いますが、セルフケアしやすい施術を心掛けているのか、今までとは違う自分に生まれ変わるお手伝いをしたいのかで意味は変わってきます。

まとめ

美容師の履歴書は、仕事への意欲と応募先のヘアサロンで働きたい熱意を伝えるために作成します。履歴書は読みやすい字で丁寧に書き、記載のある項目はすべて記入しましょう。提出方法に合った基本マナーを守ることも大切です。

美容師の履歴書では志望動機が特に重視されます。紹介した3つの例文を参考に、採用担当者にアピールできる志望動機をぜひ作成してみてください。美容師の履歴書を自信を持って作成し、書類選考通過を見据えた面接対策も行いましょう。

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