美容師にノルマはある?主なノルマの種類とメリット・デメリット

コラム

仕事に関連してよく聞かれる言葉に「ノルマ」があります。これから美容師への転職・就職を検討している人の中にも、仕事のノルマがあるのか気になる人は多いでしょう。実際に美容師にもノルマはあるものの、必ずしも悪い面だけではなく、良い面もあります。

当記事では、美容師に存在するノルマや種類、ノルマのある美容室で働くメリット・デメリットを解説します。美容師のノルマについて少しでも気になる人は、ぜひ参考にしてください。

目次

1. 美容師にも「ノルマ」は存在する?

2. 美容師にあるノルマの主な種類5つ
2-1. カットノルマ
2-2. モデルカットノルマ
2-3. 販売ノルマ
2-4. 広告配布ノルマ
2-5. 指名ノルマ

3. ノルマのある美容室で働くメリット・デメリット
3-1. メリット(1)大きなやりがいを感じられる
3-2. メリット(2)成長スピードが早くなる
3-3. デメリット(1)お客様からの評価が悪くなるおそれがある
3-4. デメリット(2)モチベーションが下がる可能性がある

まとめ

1. 美容師にも「ノルマ」は存在する?

そもそもノルマとは、ロシア語で「基準」を意味し、従業員に割り当てられる労働の目標量です。目標量を半強制的に設定すれば、会社として一定以上の利益を出すことが可能になります。

ノルマは営業職やサービス職を中心に多くの業界・職種で導入されており、美容室でも、ノルマが設定されている店舗とされていない店舗があります。しかし、基本的には従業員に対してノルマを課すことは推奨されていません。民法では、労働者の義務として「結果」については言及されていないためです。

そのため、多くの美容室では、「ノルマを達成しなかったことによる罰則」は設けていません。「ノルマを達成したらインセンティブを支給する」など、ノルマ達成を何らかの形で評価する美容室がほとんどです。「ノルマあり」と聞くと負担が大きそうに感じますが、プラスの要素として導入されている傾向にあります。

2. 美容師にあるノルマの主な種類5つ

美容師で主に設定されているノルマは、「カットノルマ」「モデルカットノルマ」「販売ノルマ」「広告配布ノルマ」「指名ノルマ」の5種類です。ここでは、5つのノルマの概要や特徴を具体的に解説します。なお、ノルマありの美容室だからといって、5つすべてのノルマを設定しているわけではないため、あくまで参考としてご覧ください。

2-1. カットノルマ

カットノルマとは、「1か月で〇人のカットを担当する」のように、一定期間内でカットする人数に応じたノルマです。アシスタントを卒業し、スタイリストとして1人のお客様を担当できるようになると課せられます。

美容室の場合、日によって来店客数には幅があり、土日や繁忙期で何十人も来店する日もあれば、閑散期や平日などは来店者数が一桁のことも珍しくありません。そのため、カットノルマは基本的に1か月単位で設定されます。

2-2. モデルカットノルマ

モデルカットノルマとは、ヘアモデルのカット数に応じたノルマであり、主にアシスタントがスタイリストへ昇格する際の条件として課せられます。「ヘアモデルを計〇人カットしたら合格」「3か月連続で〇人カットしたら合格」のような設定方法が一般的です。美容室によっては、髪型ごとにノルマを設定している場合もあります。

なお、アシスタントからの昇格条件としている美容室が多いものの、スタイリストへのノルマとしているケースもあります。

2-3. 販売ノルマ

販売ノルマは、シャンプーやトリートメント、ヘアワックスなど美容商品の販売数に応じたノルマです。「営業ノルマ」と言われることもあります。アシスタントに課せられることが多く、店内でのカットでシャンプーをした後に勧めるなど、サービス提供後に購入を促す流れが一般的です。

アシスタント時代はカットを担当しないため、販売ノルマが高めに設定されている場合も多く、美容室によってはスタイリスト昇格後も一定の販売ノルマが課せられます。

2-4. 広告配布ノルマ

広告配布ノルマは、一般的な「ビラ配り」と同じ仕事内容で、店先などでチラシやクーポンを配布するノルマです。販売ノルマと同様にアシスタントへ課せられることが多い傾向にあります。

特にお客様が少ない美容室では、広告配布は集客のために重要であり、高めのノルマが設定されていることも珍しくありません。また、店舗によってはスタイリストも広告配布業務を担当し、ノルマが課せられる場合があります。

2-5. 指名ノルマ

指名ノルマとは、「お客様からの指名数」に関するノルマです。指名のないお客様のカットは含まれない点で、カットノルマとは異なります。特定の美容師を気に入って指名が増えると、リピート利用も増えるため、継続的な集客を生むために指名ノルマが導入されます。

ただし、美容室はフリーのお客様も多く利用するため、指名ノルマを設定しても達成できない場合は少なくありません。そのため、他のノルマと比べて実施されていないケースも多い傾向です。

3. ノルマのある美容室で働くメリット・デメリット

ノルマなしの美容室も多く、転職・就職活動では人気の職場となっています。しかし、ノルマのある美容室にも働くメリットはあり、自分の成長にもつながります。

また、ノルマのある美容室には当然デメリットもあるため、メリット・デメリットの両方を踏まえた検討が重要です。

3-1. メリット(1)大きなやりがいを感じられる

ノルマが設定されることで、自分の努力を定量的に把握できるようになり、やりがいを感じやすくなります。特に、ノルマの達成度に応じてインセンティブ支給などの評価を受けられると、大きなやりがいを感じるでしょう。自分の頑張りが高く評価されるほど待遇も良くなるため、「来月はもっと頑張ろう」と前向きな気持ちを維持しやすくなります。

仕事にやりがいを感じることは、美容師を長く続けるうえでも大切です。美容師として日々進歩し、将来的なビジョンを実現させるための道のりにおいて、ノルマの存在は良い影響を与えるでしょう。

3-2. メリット(2)成長スピードが早くなる

ノルマが設定されていることで目標が明確になり、業務に対して積極的に取り組むようになります。そのため、ノルマがまったくない場合よりも、成長スピードが早くなりやすい傾向です。

ノルマが設定されていると、従業員間に程よい緊張感が生まれることも、成長につながります。少しでも早く活躍したい人や、将来的な独立を考えている人などは、特にノルマがメリットになりやすいでしょう。

3-3. デメリット(1)お客様からの評価が悪くなるおそれがある

ノルマの設定により、お客様からの評価が悪くなってしまう可能性があります。ノルマ達成のためにお客様へ無理な接客を行う美容師が出るためです。

例えば、何とか来店させるためにしつこくチラシを渡せば、かえってお店の印象は悪くなってしまいます。相手が乗り気ではないのに強制的にシャンプーを買わせてしまうと、お客様はリピートしない可能性が高いでしょう。

近年はSNSや口コミサイトで、不特定多数の人から店舗への投稿が記載される時代になっています。悪い情報が記載されるとすぐに広まってしまうため、ノルマがある場合でも、お客様への丁寧な対応を心がけることが大切です。

3-4. デメリット(2)モチベーションが下がる可能性がある

ノルマの内容や自身の捉え方によっては、仕事へのモチベーションが下がる要因になってしまうこともあります。ノルマがあまりに厳しかったり、自分が意識しすぎたりすると、業務に取り組む目的が「ノルマ達成」になってしまい、本来のやりがいを忘れてしまうためです。

モチベーションの低下は、成長を停滞させ、マイナス思考になることでプライベートにも悪影響をもたらします。モチベーションが下がっていると感じたら、自分がなぜ美容師を志したのか、どのような美容師になりたいのかなどを整理し、ノルマにだけ意識が行かないようにすると良いでしょう。

まとめ

美容室にもノルマが導入されている店舗があり、一般的には「ノルマを達成したらインセンティブを支給する」のように何らかの形で達成度が評価されます。美容師のノルマには、カットノルマや販売ノルマなどの5種類があり、詳細は店舗ごとの確認が必要です。

なお、美容師として働くうえで大切なのは、ノルマあり・ノルマなしのどちらが自分に合っているかを考えて職場を選ぶことです。ぜひ、当記事で紹介したノルマのある美容室で働くメリット・デメリットを踏まえて、自分に合う働き方を選択してください。

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