指や手首が腫れたり、痛くなった経験はありませんか?
本日は美容関係のお仕事の人にも多い、「腱鞘炎(けんしょうえん)」についてのお話です。
腱鞘炎は放っておいても自然に治るものなのか?
仕事で腱鞘炎になった際は労災認定されるのか?
など、詳しく解説いたします。
腱鞘炎の手術で仕事を休む期間は1日、手術自体も数分で終了します。
腱鞘炎とは、指や手首の腱や靭帯性腱鞘(腱を覆うトンネル)が炎症を起こしている状態のことを言います。
指や手首の使いすぎで腱と靭帯性腱鞘が摩擦を起こすことで、腱鞘炎になります。
代表的なのは
ばね指(指の付け根に起こる)とドケルバン病(手首の親指側に起こる)の2タイプです。
湿布など薬を使用したり、超音波による温熱療法を行ったりと基本は保存療法で炎症が治まるのを待ちましょう。
症状がひどい場合は手術が必要で、主に以下の3種類の術式があげられます。
・腱鞘切開術 …靭帯性腱鞘(腱を覆うトンネル)を切開する
・経皮的腱鞘切開術 …皮膚を切開せず注射針や特殊な器具で行う
・屈筋腱部分切開術 …太くなった腱の一部を切除する
手指の動作にも影響するため手外科専門医による手術が望ましいですが、内容自体はシンプルなため日帰りが可能です。
手術時間は腱鞘切開術で10分程度で終わります。
経過によってはリハビリなどが必要になりますが、入院する必要はありません。
2週間以上自然治癒で治らないなら、まずは受診をしましょう
腱鞘炎は指や手首の使いすぎによって起こるため、症状を治める第一の方法は患部を休めることによる自然治癒が挙げられます。
使い過ぎた患部を安静にすることで炎症が治まることもありますが、ひどい場合は湿布やギプスを使用した保存療法を取り入れたり、ステロイド注射をして治します。
保存療法を続けても症状が良くならない場合は、2週間程度を目安に一度病院を受診しましょう。
2週間経っていなくても痛みが広範囲に及んでいたり、強い腫れ・痛みがある場合、関節に変形が起こっているときは、早めに専門医に診てもらうようにしましょう。
腱鞘炎の場合、整形外科で診てもらえますが
より専門的な治療をしてもらえるよう、経験や知識が豊富な手外科がおすすめです。
仕事が原因で腱鞘炎になった場合は労災申請を
腱鞘炎など腕や指を酷使した結果生じる炎症などの異常は、上肢障害と呼ばれます。
上肢障害の原因が労働にある場合は、上肢障害の労災を申請することができます。
たとえば、シザーを日常的に使用する美容師や、パソコン業務が主となる事務など
日々の仕事が腱鞘炎を引き起こしているのであれば、上肢障害の労災として認定される可能性があります。
ただし、本当に仕事が原因であると証明することが困難なため、以下の「上肢障害の労災認定の要件」をもとに客観的に証明できなくてはなりません。
・上肢等に負担のかかる業務に相当期間、従事している
・発症前に過度な業務に就労した
・医学上、過度な業務への就労と発症までの経過に妥当性があると認められた
相当期間とは、原則として6か月が定められています。
感覚的な報告では関連性が認められないため、可能な限り数字などで事実データを集めることが労災認定されるコツとなります。
たとえば繁忙期で業務量の増加が理由と考えられる場合は、労働時間や具体的な業務量(サービス業関連の場合、一日の対応客数など)を記録しておくと良いでしょう。
医師の診断結果も必要となるため、早めに受診し
「いつ」「何故」、手首や指に異常が生じたのか、医師に腱鞘炎と「診断された」のかを明確にしておきましょう。
会社が協力してくれない場合は労働基準監督署に相談を
労災認定を受けるためには会社側の協力も必要となります。
たとえば前述のように、業務が原因で腱鞘炎が発症したと証明するには、会社側にも協力してもらう必要があるのです。
労働者死傷病報告などの提出をはじめ、会社側で行なう手続きもあります。
しかし、労災が生じることは会社側にとっても不適切な労働環境を提供しているなど、イメージダウンにつながるうえ、労災保険料の増額につながります。
労働基準監督署の監査対象となることもあるなどデメリットが生じるため、会社が必ずしもスムーズに協力してくれるとは限りません。
相談しても協力してくれなかったり、不正に労災を隠す・誤魔化すなどの行為を強要されたりした場合は、労働基準監督署へ相談しましょう。
まとめ
腱鞘炎は一度なってしまうと再発のリスクの高いものです。
まずは、ならないための日ごろのケアが重要となります。
もし仕事が原因で腱鞘炎になった場合は、労災でケアしてもらえないか、相談してみましょう。
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