美容師の仕事には魅力ややりがいも多いものの、さまざまな理由から「仕事がつらい」と感じ、美容師の仕事を辞めたいと感じる人も少なくありません。美容師から別の職業に転職することも1つの方法ですが、別の職場に転職することで美容師の仕事を続けられる場合もあるため、現在の悩みをしっかりと整理することが大切です。
当記事では、美容師を辞める理由としてよくあるものを5つ紹介します。美容師が仕事をスムーズに辞めるための対処法や転職を成功させるためのコツも併せて確認し、自分の理想の働き方ができる職場への転職を目指しましょう。
目次
1. 美容師を辞める理由｜よくある理由を5つ紹介！
1-1. 給料が低い
1-2. 人間関係がうまくいかない
1-3. なかなかキャリアアップできない
1-4. 労働時間・拘束時間が長い
1-5. 美容師の仕事そのものが辛い
2. 美容師が仕事をスムーズに辞めるための対処法
2-1. ポジティブな退職理由を伝える
2-2. 2～3か月前に退職の申し出をする
2-3. 辞めたあとのキャリアについて考えておく
3. 美容師が転職を成功させるためには？
まとめ
1. 美容師を辞める理由｜よくある理由を5つ紹介！
現在美容師として活躍している人の中には、「美容師の仕事を辞めたい」「今のサロンを退職したい」と考えている美容師も少なくありません。美容師を辞めたいと感じる理由は人によってさまざまですが、ここではよくある5つの理由について解説します。多くの美容師が「辞めたい」と感じる理由をチェックし、自分の悩みを整理してみましょう。
1-1. 給料が低い
美容師が仕事を辞めたいと感じる理由の1つとして、業務内容に対して美容師の給料が低いことが挙げられます。厚生労働省の調査によると、美容師の平均給料（年収）は約3787,000円となっています。給与所得者の中では比較的低い水準であると言えるでしょう。
（出典：厚生労働省「令和３年賃金構造基本統計調査 結果の概況」）
また、基本給や賞与の水準が比較的低いだけでなく、各種手当などの福利厚生が十分ではない職場も少なくありません。仕事で使うハサミなどの道具を自分で購入する必要があるなど、仕事に関する出費が多く手元に残るお金が少ないことも、「美容師の仕事を辞めたい」と感じる理由の1つです。
1-2. 人間関係がうまくいかない
1つのサロンに勤務する美容師の人数はそれほど多くはなく、毎日顔を合わせる従業員は限られています。そのため、スタッフのうち誰か1人との関係が悪化するだけでも、他のスタッフとの人間関係に影響する恐れがあります。
職場での人間関係が悪化すると、周囲のスタッフとのコミュニケーションがとりづらくなり、美容師としての業務にも支障をきたしかねません。精神的な負担も大きいため「辞めたい」と感じる人も多いでしょう。
1-3. なかなかキャリアアップできない
美容師は「アシスタント」からスタートし、「スタイリスト」「トップスタイリスト」「店長・マネージャー」などへとキャリアアップすることが一般的です。しかし、研修制度やレッスン体制が整っていないサロンの場合、なかなかスキルを磨くことができず、キャリアアップにつなげられないケースも少なくありません。
「なかなかキャリアアップができない」「次のステップに移行するまでの見通しが立たない」となると、仕事へのモチベーションを維持することは難しいでしょう。思うようにスキルアップ・キャリアアップができないことも、美容師を辞めたいと感じる理由の1つと言えます。
1-4. 労働時間・拘束時間が長い
サロンや雇用形態などにもよりますが、美容師は他の職業と比べて1日の労働時間・拘束時間が長い傾向があります。特にアシスタントや駆け出しのスタイリストは、営業時間の後に技術レッスンをする場合も多いため、プライベートの時間を確保することが難しいと感じる人も少なくありません。
また、スタイリストの場合は休日に講習会へ出席したり、仕事に関する勉強をしたりすることが求められるケースも多くあります。カットモデルの募集など、休日を返上して行わなければならない仕事関連のタスクもあるため、休日も思うように休めず悩む人も少なくないと言われています。
1-5. 美容師の仕事そのものが辛い
美容師の仕事に魅力を感じて美容師の免許を取得した人でも、実際に働くことで美容師の仕事に苦手意識を持ち始める人も少なくありません。「練習してもスキルが向上しない」「ノルマがきつい」「体力的に辛い」など、業務内容が合わないと感じる人も多いと言われています。
また、「お客様とのコミュニケーションがうまくとれない」「クレーム対応が難しい」など接客スキルに関する悩みを抱えやすいことも、美容師の仕事が辛く感じる原因の1つです。美容師は美容に関するスペシャリストであると同時に接客業でもあるため、お客様への対応がうまくできない場合は「辞めたい」という気持ちが増すケースもあります。
2. 美容師が仕事をスムーズに辞めるための対処法
美容師が「辞めたい」と感じたときには、自分が現在抱えている悩みを整理し、現在の職場で解決することができないか考えることが大切です。しかし、必ずしも解決策が見つかるとは限りません。転職することで悩みが解決することもあるでしょう。
美容師が現在の職場を退職する場合、退職後もその職場のスタッフと良好な関係を維持するためにもなるべく円満退職を目指すことが大切です。美容師が仕事をスムーズに辞めるためのポイントを確認し、可能な限り円満に退職することを心がけましょう。
2-1. ポジティブな退職理由を伝える
現在の職場の人に退職の意思を伝える際は、基本的には正直に、かつポジティブな退職理由を答えるようにしましょう。例えば、「ここで培ったさまざまな経験やスキルを活かして、自分の個性をさらに伸ばせるサロンで働きたい」など、現在の職場に対してネガティブな印象を与える理由は伝えないことが大切です。
また、他のサロンに転職する場合も、「スキルを磨きたい」などポジティブな理由に変換して伝えることをおすすめします。美容師以外の職業にキャリアチェンジする場合も、前向きな理由を伝えることで、現在の職場や転職先にも納得してもらいやすくなるでしょう。
2-2. 2～3か月前に退職の申し出をする
退職の申し出のタイミングは、民法上では「退職の2週間前までに申し出る」と定められています。しかし、担当しているお客様への挨拶や後任のスタッフへの引き継ぎなどを考慮して、2〜3か月前には職場に退職の申し出をしておくとよいでしょう。
ただし、サロンによっては就業規則によって退職を申し出る期間が規定されている可能性があります。退職を考える際には、就業規則もチェックした上で退職のタイミングを検討しましょう。
2-3. 辞めたあとのキャリアについて考えておく
「退職後はしばらく休んでリフレッシュしたい」など、退職時に転職先が決まっていない場合でも、退職後のキャリアについて十分に考えておくことが大切です。「美容師を辞めたい」と思った理由から自己分析を行い、給料や仕事内容、研修制度の有無、勤務時間、休日、福利厚生などの希望条件を整理しておきましょう。
なお、美容師の資格や経験を活かして異業種に転職する場合は、メイクアップアーティスト・ネイリスト・結婚式場のメイク担当・エステティシャンなどの職業もおすすめです。興味のある職業について詳しく確認し、自分に合った職業を選びましょう。
3. 美容師が転職を成功させるためには？
「美容師を辞めたい」と考える人の中には、単に現在の職場での仕事が合っていないだけという人も少なくありません。このようなケースでは、他のサロンに転職するだけでも、美容師としてストレスなく活躍できる可能性があります。
最後に、美容師が他のサロンへの転職を成功させるための3つのポイントを紹介します。
まとめ
美容師は魅力・やりがいの多い仕事ではありますが、「給料が低い」「労働時間が長い」などの理由から美容師を辞めたいと感じる人も少なくありません。現在の職場では解決が望めない悩み・不満がある場合には、他のサロンへの転職や異業種へのキャリアチェンジも視野に入れるとよいでしょう。
美容師が現在の職場をスムーズに退職するためには、退職のタイミングや退職理由を聞かれた際の伝え方などが重要になります。他のサロンに転職する場合には、現在の職場を退職する理由や希望条件を明確にした上で理想の職場を探し、自分のスキルを活かせる場所を選びましょう。
