美容師が使うハサミ(シザー)について

コラム

美容師にとって、ハサミという道具は大事なパートナー。
技術だけではなく、ハサミの性能がカットの仕上がりや作業効率を左右することもあるため、自分に合ったハサミ選びが最重要です。

この記事では、ハサミの種類や選び方、お手入れ方法などをご紹介します。

美容師が使うハサミの種類

美容師が使っているハサミは「美容ハサミ」、「シザー」と呼ばれ、
一般的に工作や事務で使われる文房具ハサミとは異なります。摩耗や薬品に強い特別な素材で作られており、また切れ味がよく危険なため、誰でも簡単に購入できるわけではありません。

ハサミは大きく3種類に分かれ、それぞれ用途が異なります。

 

◆ベーシック

もっともスタンダードなハサミで、ベースカットやブラントカットをはじめオールマイティに使用。刃の長さが違うタイプを数本持ち、使い分ける美容師もいます。一般的に使われているサイズは6インチで、初級スタイリストやこれから美容師を目指す方など、はじめてハサミを買う方におすすめです。

 

◆セニング

「セニング」とは、そぐ・少なくするという意味で、一般的に「すきバサミ」と呼ばれるものです。
クシ刃と呼ばれる細かい刃がたくさんついており、主に髪の毛の長さを変えずに量を軽くする際に使用。スキ率(すく量の率)の違いがあり、15%から40%程度のタイプが多く利用されています。技術が高くなると、セニングシザーを滅多に使わないという美容師も。

 

◆スライド

片方にしか刃がついていないハサミで、髪の毛を滑らしながら削ぐようにカットします。
主に髪のボリュームを抑えたり、動きのあるヘアスタイルを作るときに使用。スライド率(髪が刃から逃げる率)によってカットできる髪の量が変わります。

 

美容師のハサミの選び方

美容師のハサミは、メーカーやブランド、カラー、形、大きさ、用途などさまざま。美容師のほとんどは、客層やカットスタイルによって数種類のハサミを使い分けています。

はじめてハサミを購入する際は、先輩に聞いてみたり、ネットの口コミやレビューなどを参考にしながら、自分の好みや予算に合わせてメーカーを選びましょう。
ここでは、ハサミ選びの際に押さえておきたいポイントを4つにまとめました。

 

➀自分の手の大きさに合ったサイズかどうか

短すぎず長すぎず、自分の手の大きさに合うサイズのハサミを選ぶことが重要です。美容で使われるハサミの大きさを表す単位は、「センチ」ではなく「インチ」(1インチ=2.54センチ)。
5インチから7インチまであり、男性は6インチ、女性は5.5インチが一般的です。

 

➁握りやすいハンドルのタイプかどうか

ハサミのハンドルは、シンプルで自由度が高い「メガネ型」、安定感があり開閉しやすい「オフセット型」、指に馴染みやすい「3D型」に分かれています。手に持ったときのフィット感やホールド感が重要。自分の手の大きさや指の長さに合わせて、手や手首への負担が少ないタイプのものを選びましょう。

 

➂自分の用途に合っているかどうか

前述のように手へのフィット感や握りやすさに加えて、自分の用途に合わせたハサミ選びも大切です。
例えば、手が大きい人でも、ショートヘアを切ることが多ければ短いシザーのほうが良かったりするもの。「サロンの客層」や「お客様に提供したいヘアスタイル」などを基準にするとよいでしょう。

 

➃自分の技術やレベルに合っているかどうか

初級スタイリストやこれから美容師を目指す方がいきなり何十万円という高額なハサミを使う必要はありません。
メインとなるハサミを数万円で購入し、その他には練習用として低価格のものを保持しておくと良いでしょう。
自分の技術やレベルに応じて、少しずつ買い足していくのがおすすめです。

美容師のハサミはどこで購入できるのか

メーカー実店舗・美容用品専門店

プロ用ハサミの製造・販売メーカーの実店舗や、理美容師やスタイリストが使う美容用品を取り扱う専門店。美容資格を保持していたり美容職に従事する人でなければ入ることできない会員制の店がほとんどです。

 

美容ディーラー

美容用品を取り扱う専門店やメーカーから仕入れをして、理容師や美容師、店舗やサロン、専門学校などに販売する美容師専用のディーラー「美容ディーラー」。彼らの取り扱うカタログからハサミをチョイスしたり、購入したハサミのメンテナンスも代理で行ってくれます。

 

インターネット通販

メーカーや専門店の通販サイトだけではなく、中古シザー専門店やアウトレット品など、安価で手に入る場合もあります。最近では、インターネット通販で気軽にシザーを購入する美容師も増えていますが、フィット感が掴みにくくサイズが合わない可能性もあるため、初心者は実際にハサミを握ってみたり、試し切りさせてもらいながら選ぶのがよいでしょう。

まとめ

ハサミは美容師の大事な仕事道具ですので、何かあったときの処置、研ぎやメンテナンスなど、アフターフォローもしっかり行ってもらえるお店を選んで購入することも大切なポイントです。

自分に合うベストなハサミを見つけるためには、とにかくいろいろな種類のハサミを実際に使ってみることが必要不可欠です。
道具を知ることは技術を上げる第一歩。用途によってハサミをうまく使い分けながら、お客様に満足していただけるヘアカットを追及していきましょう。

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