以前、美容師の離職率の高さはお伝えしました。
離職後、他の美容室で再度勤務をする方、アイリストに転向する方、業界外に進む方などさまざまな道に進む可能性があります。
また、美容師免許は活かしたいけど収入に不満がある、土日に休みが欲しいなど、
美容業ならではの悩みや不安はつきものです。
そういう方におすすめしたいのが、美容専門学校の教員というお仕事です。
なんとなく、学校の先生だろうなという印象はあると思いますが、実際どういったことをするのか知らない部分も多いと思います。
今回は、美容師免許保有者の新しい転職先である、美容専門学校の教員についてご紹介をしたいと思います。
教員ってどんなことをするの?
美容専門学校に通っていた方なら想像できると思いますが、仕事の内容はみなさんが通っていた学校の先生と同じ内容のお仕事です。
【教員の仕事内容】
- 技術や理論の授業準備・担当
- 美容師免許取得・各資格取得のためのサポート
- 進路相談
- コンテスト入賞のためのサポート
各学校では未経験から教員の仕事を始められるように、先輩の横について学んだり教員としてひとり立ちができるようなプランが組まれているので心配はありません。
教員としてのやりがい
仕事をする上で、やはりやりがいは欲しいものですね。そんな中、教員という仕事はやりがいに溢れていると言われています。
実際、現職の教員の方はどういったところにやりがいを感じているのでしょうか。
・やはり卒業した生徒のカットデビュー報告をもらった時ですね。ぜひ髪の毛を切ってほしいと思うのですが、キリがないですよね…(笑)
(29歳/女性/神戸市勤務)
・一番のやりがいは、受け持ったクラスの生徒たちの美容師免許合格の結果を聞く瞬間です。何度経験しても、うれしくて仕方ないです。
(34歳/女性/京都市勤務)
・卒業して仕事を始めても、たまに学校に会いに来てくれる生徒が何名かいます。大変なことも多い仕事ですが、そういった元生徒の存在は私の元気の源です。
(30歳/女性/大阪市勤務)
数名の現役教員の方に聞いてみましたが、在学中というよりは生徒の卒業以降にやりがいを感じる方が多くいらっしゃるようです。
教員になってよかったこと
では教員職に就くと、どういったメリットがあるのでしょうか?
・美容室で働いていた時は、土日祝の勤務は当然でした。
しかし、教員になってから基本的に土日祝はお休みを取れています。私的には休みが増えたことが転職して一番よかったなと思える点です。
(32歳/女性/神戸市勤務)
・僕は教員になって給料が増えました。
美容師歴が長かったこともあり収入は10万円近くもアップしました。
(38歳/男性/奈良市勤務)
・私は断然勤務時間が短くなりました。
一人目の子供との時間は多く取れませんでしたが、二人目が生まれたばかりの今は、妻に代わって子供をお風呂に入れることができています。
(33歳/男性/大阪市勤務)
上記3名以外からも
「お休みが増えた」、「収入が増えた」という声がたくさんありました。
確かに、お子様がいる方や趣味をお持ちの方にとってはお休みが増えることも収入が増えることも嬉しいですよね。
ただ、上記はあくまで美容専門学校の教員の話です。
同じ教員でも小学校や中学校・高校の教員は部活動などもあり勤務時間も長いと言われていますのでご注意ください。
教員職で悩んだこと
仕事をする上で、残念ながらいいことばかりではありません。
教える立場だからこそ、悩んだり落ち込んだり、辞めたいなと感じることもあります。
・自分が担任を受け持ったクラスで国家試験に合格できなかった生徒が2名いました。
本人は強がっていましたし勉強も頑張っていたのですが、合格できなかったのは自分の教え方が悪かったのではないかと悩みました。
(36歳/男性/和歌山市勤務)
・私は受け持ったクラスの学力レベルの二極化が原因で退職を考えていました。
勉強が得意な生徒はグングン成長していきます。しかし勉強に対して苦手意識の強い生徒は学校に来ることも少なくなったりします。あの時は精神的にもつらかったことを覚えています。
(41歳/女性/大阪市勤務)
教員という立場上、自身のことより生徒のことが気になるのは当然ですよね。
しかし、それと同時に生徒が国家試験に失敗したり勉強が苦手だったりとなると、生徒を想うばかりか自身を責める結果になってしまいます。
教員という仕事は気持ちの切り替えとほどほどの発散が必要と言われています。
まとめ
美容室を辞めて別サロンへ行く以外にも美容専門学校の教員という道があります。
美容室で勤務をするより
お休みが増えた・給料が増えた・勤務時間が減った、と喜ぶ方が多くいる一方、
やはり自身の将来を見据えて美容専門学校に入学してくる生徒のことを想うと悩みは尽きません。
その分、無事国家資格に合格してカットデビューの報告を聞くと、何度も経験したくなるような喜びがあると言われる方もいらっしゃいます。
人の成長面を見られるという部分ではやりがいは充分に感じられるお仕事です。
今、転職しようかな…と悩んでおられる方は、一度教員という道も考えてもいいかもしれません。