挫折の乗り越え方

美容業界は一見華やかでキラキラとした世界に見えます。
しかし、その舞台裏では長時間の練習や体力勝負の日々、売上や人間関係のプレッシャーなど、多くの試練が待っています。

特にアシスタント時代やスタイリストデビュー直後は「自分に向いていないのでは」と感じやすい時期です。
そんな挫折の壁をどう乗り越えるかが、未来のキャリアを大きく左右します。

ここでは、現場でよくある挫折の瞬間と、その乗り越え方を具体的にご紹介します。

技術の壁にぶつかったとき

美容師にとって、技術はすべての基盤。ですが、最初からうまくいく人はいません。

よくあるシーン

・シャンプー中にお客様から「もう少し優しくして」と注意される

・カラーの塗布が遅く、先輩に「もっとスピードを意識して」と言われる

・カットモデルでイメージ通りの仕上がりにならず落ち込む

乗り越え方

・練習は「完璧」ではなく「部分的な改善」を意識する
（例：今日は“時間短縮”だけに集中、明日は“塗布量”だけに集中）

・先輩の技術を観察するときは「手の角度」「動作の速さ」「お客様の表情」に注目する

・できなかったことをノートに記録し、翌日の練習で1つずつ改善していく

「昨日より今日の自分が1ミリでも成長している」ことが、自信につながります。

クレームや厳しいフィードバックを受けたとき

美容業界では、お客様の満足度が直接評価につながります。
そのため、クレームを受けたときは強く落ち込んでしまう人も多いものです。

よくあるシーン

・お客様に「仕上がりがイメージと違う」と言われる

・SNSで「担当者の対応がイマイチだった」と書かれてしまう

乗り越え方

・まずは冷静に「どこが違ったのか」を具体的に聞く

・改善策を考え、次回のカウンセリングで「確認シート」や「イメージ写真」を使って誤解を防ぐ

・クレームを“失敗”ではなく“次の成長材料”と捉える

厳しい声は辛いものですが、それを糧にした人ほど、お客様から信頼される美容師に成長できます。

体力的にきついと感じるとき

美容師の仕事は長時間の立ち仕事。さらに営業後の練習もあり、体力的に限界を感じることもあります。

よくあるシーン

・練習後に帰宅するのが深夜で、睡眠不足が続く

・手荒れや腰痛で思うように仕事ができない

乗り越え方

・ストレッチや軽い筋トレを「仕事の一部」として習慣にする

・ハンドクリームや手袋など、手のケアを徹底する

・休日は“完全休養日”を設け、体を休めることを最優先にする

美容師の体は最大の資本。セルフケアを怠らないことが、長く続ける秘訣です。

周囲と自分を比べて焦ったとき

同期や先輩の成長が目に見えると「自分だけ遅れている」と感じてしまうこともあります。

よくあるシーン

・同期がスタイリストデビューしたのに、自分はまだアシスタント

・先輩が売上をどんどん伸ばしているのを見て焦る

乗り越え方

・自分の得意分野を伸ばす（カラーが得意、ヘッドスパで指名が多いなど）

・「比べる」ではなく「学ぶ」視点を持つ（同期の成功から取り入れられるポイントを探す）

・成長のスピードは人それぞれ。「遅い」ことは「深い経験を積んでいる」とも言えます

将来像を見失ったとき

忙しさに追われていると「このままでいいのだろうか」と将来が見えなくなることがあります。

乗り越え方

・憧れの美容師やサロンオーナーのSNSをフォローし、自分の未来をイメージする

・3年後・5年後にどうなりたいかを書き出し、逆算して「今やるべきこと」を明確にする

・夢や目標を周囲に話すことで、仲間や先輩がサポートしてくれることもあります